講演会のお知らせ

科研(A)(代表鶴島博和)「前近代ユーラシア西部における貨幣と流通のシステムの構造と展開」の第一回講演会、William Day(The FitzWilliam Museum, Cambridge University), T'HE PROSOPOGRAPHY OF SENIOR PERSONNEL IN THE MINT OF FLORENCE, The Early Period t0 1316'、 を下記の要領で行います。

 

日時 2017年11月6日、午前11時から午後1時

場所 熊本大学(黒髪キャンパス)くすの木会館レセプションルーム

原稿は添付しました。DAY - Prosopography Florentine mint personnel (Text)

 

 

 

 

東ユーラシアの中世貨幣

2017.10.25.
2017年度鶴島科研研究集会

研究集会の目的
西ユーラシア貨幣史の研究に着手している鶴島科研メンバーに対し、東ユーラシア各地の貨幣史を比較研究のために概説するとともに、最新の研究手法についても紹介する。両日とも科研メンバーと研究者のみのワークショップとする。特に、4日の西洋コインに関するシンポジウムは、東西ユーラシア貨幣史研究に共通する技術面の検討を含んでおり、両地域研究の架け橋として機能させる。

――東ユーラシアにおける中世貨幣――

日時 2017年11月3日(金)・4日(土) 
3・4日とも非公開のワークショップ、5日(日)はexcursion(巡見)
場所 下関市立大学 本館Ⅱ棟5階大会議室
下関市立大学への交通機関 
下関駅あるいは新下関駅からサンデンバスで約25分(山の田or大学町三丁目下車)

3日(金)  12:50~13:00 開会あいさつ 櫻木晋一(下関市立大学)
13:00~14:00 中世インドにおける貨幣 谷口謙次(大阪市立大学)
   14:00~15:00 中世ベトナム貨幣史をめぐる諸問題 多賀良寛(慶應義塾大学)
15:00~15:20   休憩
   15:20~16:20 東ユーラシアの出土貨幣 三宅俊彦(淑徳大学)
   16:20~17:30 Les caractéristiques de la monnaie chinoise des origines aux Qing
François Thierry(前フランス国立図書館) 討論通訳: 中島圭一(慶應義塾大学)
   17:30~18:00 コメント 中島楽章(九州大学)

18:30懇親会 

4日(土)  9:30~10:20 中世日本の貨幣流通史研究 川戸貴史(千葉経済大学)
10:20~11:10 東シナ海域における金属の流れ
----12~16世紀の日本を中心とした素描―― 橋本雄(北海道大学)
   11:10~12:00 琉球貨幣史 宮城弘樹 (沖縄国際大学)
   12:00~13:00  昼食休憩
   13:00~15:40【勝連城出土の西洋コインに関するシンポジウム】
13:00~13:30 出土状況報告 横尾昌樹(うるま市教育委員会) 
   13:30~14:00 分析結果報告 塚本敏夫(元興寺文化財研究所)
14:00~14:30 貨幣学的考察 Adrian Popescu(ケンブリッジ大学)
14:30~14:40  休憩
14:40~15:40 総合討議 司会 鶴島
出席者全員による総合討議
15:40~16:20 Metallography and history : interpreting the trace elements in Islamic coins  Marek Jankowiak(オックスフォード大学)
16:20~16:50 金属学からのコメント 赤沼英男(岩手県立博物館)
   16:50~17:00 閉会あいさつ 鶴島博和(熊本大学)
   
5日(日) 9:00~17:00 エクスカーション(巡見)
【行先】下関考古博物館(天平三年銘木簡)・下関歴史博物館(和同鋳型)・長府覚苑寺(和同鋳銭所跡)・美東町銭屋(寛永通宝鋳銭所跡)・美祢市長登銅山跡・山口市周防鋳銭司跡・岩国市徴古館(中津居館跡一括出土銭)
[下関市立大学発・新岩国駅解散] 貸し切りバスは下関まで戻るので下関駅まで乗車可

エクスカーション(巡見)について
まず、平成23年に出土した長門鋳銭司関連の遺物を下関市考古博物館の収蔵庫で見学。2016年11月にオープンした下関市立博物館には、重要文化財の和同銭鋳型と天平二年銘木簡が展示されているので見学し、徒歩で長門鋳銭所が所在した覚苑寺境内へ。古代の銅生産で有名な美東町長登銅山跡は長登銅山文化交流館で説明を受け、時間があれば坑口付近を散策。時間が許せば、近世の寛永通宝を鋳造していた銭屋(美東町)に立ち寄り、周防鋳銭司跡(山口市)を見学。最後は、錦帯橋近くにある岩国市徴古館に中津居館跡一括出土銭が収蔵されているので見学。

備考
 下関市教育委員会濱崎真二氏に下関市立考古博物館、下関市立歴史博物館見学については岡松仁氏に依頼済み
 長登銅山については長登銅山文化交流館池田善文氏に依頼済み
 岩国市徴古館については岩国市教育委員会藤田慎一氏に依頼済み

2017年8月9日から12日に実施された益城町砥川で発見された寛永通宝を中心とする銭貨の分析結果

2017年8月12日

砥川銭の調査報告(1)

 

震災後、益城町砥川の個人宅から発見され寛永通宝を主とする銭貨コレクション(以下砥川銭)は、科学研究費研究基盤(A)「前近代ユーラシア西部における貨幣と流通のシステムの構造と展開」(代表 鶴島博和)の拡大研究の一環として、下関市立大学櫻木晋一を指導者とし、益城町の文化と歴史を考える会の協力を得て、平成29年8月9日から12日までの四日間、益城町赤井の城本宅をお借りして、その分類を行った。

現在、櫻木が分類した結果の確認をさし銭を作りながらおこなっているが、すべてが完了したわけではない。時間の関係もあるので100文のさじ銭の重量を計測して、重さを測り、銭貨一枚の平均を出して、全体の重量を平均で除して、暫定的な枚数をだした。

 

  1. 古い寛永通宝残余の銭の重さ5450g(容器の分を差し引いた重さ)÷3.12=1,746.79…。約1747枚
  2. 従って、1,747+1100=2,847・・・①
  3. 100文のさし銭11枚の重量3435g。3435÷1100=3.12g
  4. 新寛永通宝
  1. コ頭通 100文のさし銭5で1440g。1枚=2.88g。残余の重量は21,910g。従って約7,608枚。これにさし銭500枚を足すと、8,108・・・②

 

  1. マ頭通 100文のさし銭10で2,895g。1枚=2.895g。残余の重量は6,060g。

従って約3,093枚・・・③

  1. 背文字あり:背元430枚、背文158枚、背長97枚、背足93枚、背佐32枚、小14枚。計824枚・・・④

銅貨の寛永通宝は①+②+③+④=14,872・・・⑤

  1. 鉄銭
  1. 文字なし 630枚・・・⑥
  2. 文字あり 118枚・・・⑦

鉄銭の総数 748枚・・・⑧

 

現時点での、砥川銭における寛永通宝の推定される総数は、⑤+⑧=15,620

 

  1. 不明(現時点)これに渡来銭を加えると、砥川銭の総数は、16,000枚程度。
  2. 文字なし 174枚(内8枚は文字あり)

 

  1. 次回9月10日から12日の第2回目の調査によって
  1. 正確な枚数の確定し、
  2. このうち、銭種ごとに、全体の割合に従ってモデルを選出して全体で1000枚の報告書用サンプルを作成する。
  3. サンプルのすべての銭貨の拓本を作成し、重量と直径、を計測する。

 

西ユーラシア貨幣史研究会(科学研究費基盤研究(A)代表鶴島博和)による益城町砺川の退蔵貨幣調査のお知らせ

以下の要領で西ユーラシア貨幣史研究会(科学研究費基盤研究(A)代表鶴島博和)による益城町砺川の退蔵貨幣調査を行います。

場所 益城町赤井城本宅

時間 2017年8月9日11時から17時ごろまで

内容 砺川の旧家より出た、寛永通宝を中心とすると思われる大量の退蔵貨幣の分類、分析調査。

主催 鶴島博和、櫻木晋一(下関市立大学教授)

 

 

東アジアブリテン史学会第ジュニア・セッション公募のお知らせ

ジュニア・セッション公募のお知らせ

 

時下益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、日英歴史家会議Anglo-Japanese Conference of Historians(AJC)を引き継いだ、東アジアブリテン史学会は、来年9月に、装いも新たに、イギリス・韓国・日本の三カ国共同で、第1回国際会議British-East Asian Conference of Historians (BEACH)を、韓国・大邱の慶北大学校・歴史学部を会場に、三日間にわたり開催します。

イギリスからは、新しくロンドン歴史学研究(IHR)所長に就任されるProfessor Jo Fox,を含むイギリス側研究者の参加協力(現時点で7名確定)をとりつけ、全体テーマを”Core and Periphery in British and East Asian Histories” として現在、開催準備を進めております。会議プログラムは、10月末までには確定する予定です。

 

若手研究者を対象とした「ジュニア・セッション」での報告希望者の公募を行いたいと思います。優秀な若手研究者の方々に、今年の夏休みのリサーチも含めて、充実したペーパーを書いていただきたいと考え、下記のように、全体プログラムの確定に先行して発表希望者の公募を始める次第です。

若手の研究者の皆様の積極的なご応募をお願いします。

また、院生を指導しておられる先生方は、博士論文完成前後の優秀な若手研究者へのご周知をお願いいたします。

 

 

(1)セッション場所・日時:       2018年9月12日 午後(水曜日)(会議は15日まで)

(2)公募対象者:                        博士論文完成前後の大学院生およびすでに学位を

取得したポスドク研究者

(3)採用予定者数:                     2名 (日本側から)

(4)応募書類:                            1.CV一通

2.報告内容の要約・英文で800words程度

(5)応募期限:                            20171014日(土)

(6)書類送付先:                        BEACH会議日本側委員・大阪大学・秋田茂 宛て

akita@let.osaka-u.ac.jp

 

審査は10月中に行い、10月末までに結果をお伝えします。発表決定の方には、2018年7月末までに、会議用のフルペーパー(8000words)の提出をお願いする予定です。

 

報告採用者には、大邱への往復旅費と、会議全日程の宿泊費が、主催者の慶北大学校より支給されます。

以上、宜しくご検討と、関係の皆様への宣伝・周知をお願いいたします。

 

2017年8月5日

 

東アジアブリテン史学会・会長  鶴島博和(熊本大学)

第1回British-East Asian Conference of Historians (BEACH)・日本側委員 秋田 茂

東アジアブリテン史学会第1回国際会議(British-East Asian Conference of Historians) (BEACH)開催のお知らせ

日英歴史家会議Anglo-Japanese Conference of Historians(AJC)を引き継いだ、東アジアブリテン史学会は、来年9月に、装いも新たに、イギリス・韓国・日本の三カ国共同で、第1回国際会議British-East Asian Conference of Historians (BEACH)を、韓国・大邱の慶北大学校・歴史学部を会場に、三日間にわたり開催します。

イギリスからは、新しくロンドン歴史学研究(IHR)所長に就任されるProfessor Jo Fox,を含むイギリス側研究者の参加協力(現時点で7名確定)をとりつけ、全体テーマを”Core and Periphery in British and East Asian Histories” として現在、開催準備を進めております。会議プログラムは、10月末までには確定する予定です。

プログラムはこちらからダウンロードしてくださ。

BEACH 2018 plan

BEACH・ジュニアセッション公募のお知らせ

益城町の文化と歴史を考える会(02)

 昨日19時から益城町赤井の城本誠也さんのお宅で第2回目の勉強会がありました。鶴島が7月22日の木山町の景観復元巡見の報告を行いました。なお報告原稿はある機関紙に現在投稿中ですので出来上がりましたらPDFを掲載します。質疑応答では、地元のかたがたの記憶がよみがえるような、枝葉、抹消の楽しい話でもりあがりました。固有名詞の渦にまいりました。解散は21:15。

 私の話の内容は、14世紀から16世紀までの、城、寺、神社の三極を中心とした景観構造から、元禄期の再開発にともなう街道、市場町的景観への変容と、その構造が基本的には現在まで続いているというものです。とくに元禄9年の天神様の傍にあった移設に関すると推定される石碑と宝永元年の木山町腰尾村の絵図は衝撃的でした。元禄期までに江戸時代的な短冊状町屋が出現したのです。

 この研究会は、『益城町町史』の執筆者の一人でもあった故松野国策先生の門下生をベースにしていますので、とにかく皆さん博識です。奏文庫が主催する勉強会としては最適なものでしょう。出席者は、鶴島、城本ご夫妻、松野、中島、赤星、一村、中川の各氏計8名でした。なおオープンな勉強会ですの、皆様の参加を待っております。

 次回は、

8月9日(水曜日)、11時より城本邸で、砺川から出た寛永通宝を中心とする銭貨の分類作業(1)を、下関市立大学教授櫻木晋一氏の指導のもとで行います。

10月7日(土曜日)13時から木山往還を歩きます。古道の旅です。詳細は後日連絡いたします。

(文責 鶴島博和)

 

20170803(木曜日)1900

赤井 城本聖也宅

益城町の文化と歴史を考える会

 

 

201776日の1900(城本宅)での決定事項

1・趣旨 

 地震後、大きな変革をむかえている益城町の文化と歴史を考え、勉強し、記録を保全し、情報提供を行い、貴重な歴史と記憶の財産を後世に残すことを目的とする。

 

2.活動内容

21 勉強会

22 現地調査と現地見学会

23 史料と景観の保存:史料発掘、調査、登録、保存

24 講義と後援

 

3.会員

31 会長 福岡鋭一郎

32 会計 城本真澄

33 勉強会進行係 鶴島博和

34 史料と景観の保存係 松野陽子

35 現地見学会 城本聖也

36 会誌とブログ係(奏文庫歴史研究所)鶴島博和

 

4.会費

41 年会費 1000

 

5 活動計画

51 木山の景観復元 2017722日と23

52 赤i井城出土の宋銭と個人宅退蔵の銭貨コレクションの専門調査 201789

53 見学会 古道と木山往還を歩く

54 文化財保護活動の援助

55 その他 

 

 

 

2017年度西ユーラシア貨幣史研究会と社会経済史学会・近畿部会合同夏季シンポジウム

2017年度 社会経済史学会・近畿部会 夏季シンポジウム

 

共催

西ユーラシア貨幣史研究会

科学研究補助金・基盤研究(A)

前近代ユーラシア西部における貨幣と流通のシステムの構造と展開

(研究代表者:鶴島博和)

 

 

前近代における貨幣製造の技術的射程

貨幣史研究のひとつの盲点は、銭貨(coin)がどのような人的な編成によって、いかなる技術を用いて製造されたのかが、具体的には検証されつくしていないことである。貨幣(money:ingotや紙幣も含む広義の概念)は文明の境を越えていく。この問題は、貨幣史の全体的な検証においてはまさに前提となるはずのものである。しかし、それが現時点では十分ではない、あるいは学際的な協力体制ができていない。貨幣は、権力の表象であったし、その製造過程も、現代のように一元的ではないにしても、権力的に編成されていた。しかし、前近代において、権力のあり方が多様であったように、製造過程もその前提となる環境や製造技術や製造者(moneyer)のあり方も多様であった。貨幣製造におけるモノとヒトのあり方を、とくに環境と技術をキーワードとして学際的に検討し、研究における隙間を埋めるのが、今回のシンポジウムの趣旨である。

 

 

日時 2017年8月22日(火曜日)9:55~17:00 (集合時間9:55・開場10:00)

場所 大阪市立大学文化交流センター(大阪市北区梅田1-2-2-600大阪駅前第2ビル6階)

 

 

プログラム

 

10:10-11:20 オープニング・アドレスと第1報告(質疑応答を含む)

鶴島博和(熊本大学教育学部)「銭貨製造の技巧と技術:貨幣製造の技術の歴史への視座」

西村道也(福岡大学経済学部)「ローマ時代における銭貨の鋳造についての事例報告」

11:20-12:10 第2報告(質疑応答を含む)

櫻木晋一(下関市立大学経済学部)工房の風景(東アジア世界):原材料・道具・作業工程からの論点整理

 

12:10-13:30 昼食

 

13:30-14:20 第3報告(質疑応答を含む)

城戸照子(大分大学経済学部)工房の風景(ヨーロッパ世界):原材料・道具・作業工程からの論点整理

14:20-15:10 第4報告(質疑応答を含む)

齋藤努(歴史民俗博物館)「貨幣に含まれる金属の組成と原料の産地」

15:10-16:00 第5報告(質疑応答を含む)

池田善文(長登銅山文化交流館)「古代日本の銅生産:山口県長登銅山の事例から」

 

16:00-16:10 Coffee Time

 

16:10-16:40 全体討論

16:40-16:50 総括(鶴島)

 

 

(参考文献)

第1報告

  • Dennis R. Cooper, The Art and Craft of Coinmaking: A Histor of Minting Technology, London: Spink & Son, 1988
  • I. Blanchard, Metallurgy and Minting in the Middle Ages, vol. 2, Stuttgart, 2003.
  • Martin Allen, 'Silver Production and the Money Supply in England and Wales 1086-c. 1500', Economic History Review 64, 2011, pp.114-31.
  • H. Tsurushima, 'The Moneyers of Kent in the long elevent century', in D. Roffe ed., The Engish and their Legacy 900-1200, Essays in Honour of Ann Williams, Woodbridge, 2012, pp.33-59.
  • 鶴島博和「ヨーロッパ形跡におけるイングランドと環海峡世界の『構造』と『展開』」『史苑』75-2、2015、pp.5-108

 

第2報告

  • 櫻木晋一『貨幣考古学の世界』ニューサイエンス社、2016年、pp.93-126

 

 

第3報告

  • マルク・ブロック(森本芳樹訳)『西洋中世の自然経済と貨幣経済』創文社、1982年
  • 城戸照子「古銭学」高山博・池上俊一(編)『西洋中世学入門』東京大学出版会、2005年、pp.105-116

 

 

第4・第5報告の参考文献:

  • 齋藤努『金属が語る日本史』吉川弘文館、2012年
  • 池田善文『長登銅山跡』同成社、2015年